2008/10/21 基礎と守備範囲

 オラン的仕事場は人員不足にも関わらず増員の予定も無いため、従業員に対する業務負荷が大きい。当然、所属部署や役職に於いて本職とされる業務以外にも、数多くの業務に携わる必要が生じる。このような状況下では、「本職の専門家」として一目置かれる従業員だけでなく、「守備範囲が広い」従業員も重宝がられる。

 幸いにもこの仕事場には、本職の専門家でありながら守備範囲が広く深い人員が複数在籍しているため、まだ市場から撤退せず持ち堪えている。ちなみに現状のオランは、経験年数が不足した本職の専門家+守備範囲が広く浅い雑用係、といった何とも中途半端な存在。「早くマネジャーになって」とI氏に冗談を言われると、「私は役職無しのまま、毒吐きながら仕事するのが好き」「今より給料を上げてくれるなら、残業代は要らないから部下無しマネジャーになっても良いかも」と言い返す、とことん生意気だけれども仕事上の信頼度はまあまあの従業員。え、大きな誤解???

 人員不足だから、従業員の経験や特性に関係なく、守備範囲を広げざるを得ないこともある。オランと同じ部署メンバの某嬢も、性格的には「本職の専門家」の方が合っているのだが、このところ「守備範囲を広げて」携わった業務で評価を上げている。しーかーしー、某嬢が本職が疎かにした結果、ただでさえ忙しいオランが某嬢の本職の一部を担当せざるを得なくなっているのである。

 そして某嬢に、とある文書の作成を依頼して、その文書構成を示した資料を手渡すとー。オランの予想通り、「この根拠は何ですか」と聞いてきた。日頃専門職に於ける責任者であることを誇らしげに名乗っておきながら、薬剤師が薬剤師法を知らないとか、医薬品を製造しながら局方を知らないのと、同じレベル。

 仕事の守備範囲が広いこと、強いて言えば広く深いことは素晴らしいことだ。しかし、本職の基礎ができていないまま、知識と経験を積む努力もせずに、単に専門家を名乗るのは、最低だ。

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